血液透析機器・装置 溶解装置
こんにちは!もっちゃんです!!
今回は【血液透析機器・装置】の分野の溶解装置について解説します。
溶解装置とは透析液の原液を作成する装置です。
透析液の原液はA液とB液に分かれています。それを使用直前にセントラルで混合・調整し透析液としてコンソールに供給しています。
また、A液とB液は元々粉の状態のため、それを溶解して原液にしなければいけません。その溶解を行うのが溶解装置です。

溶解にはRO水を使用します。RO水については前回の記事参照
透析液の組成
透析液は効率的に透析が施行できるように溶質濃度が厳密に管理されています。
そのためA剤とB剤には決められた量の物質が入っています。

上記の表は粉の状態で各物質がどれだけ入っているかの表です。
次の表は粉を溶解・混合・希釈して透析液が完成した時の濃度です。


この表はキンダリー4Eという透析液の濃度を表していますが、透析液には種類がいくつかあって、それぞれ若干濃度がちがいます。
ここで疑問に思った方もいるかと思います。
なぜわざわざA剤とB剤に分けているのか?
その答えは入っている物質のせいです。
A剤に入っている塩化カルシウムとB剤に入っている炭酸水素ナトリウムが化学反応して炭酸カルシウムとなって結晶化してしまうからです。
この化学反応を防ぐ為にA剤とB剤は分かれており、使用直前に混合・希釈されるのです。
透析剤の種類
ここまで透析剤を粉と表現していましたが、実は透析剤は粉のタイプと最初から溶解してある液のタイプがあります。
ここではそれぞれのメリットとデメリットを紹介します。
粉タイプ
メリット
- 重量が少なく輸送が楽
- 場所を取らないため省スペース化できる
- 廃棄物が少ない
デメリット
- 別途溶解装置が必要になりコストがかかる
液タイプ
メリット
- 溶解装置が必要ない
- 液の状態で持ち運べるため個人用透析装置に使用できる
デメリット
- 重量があり場所をとる
- 頻繁に液の補充をしなければいけない
- プラスチック製の廃棄物が大量に出る
このようなメリット・デメリットがあるため現在では粉タイプを溶解装置で溶解して使用するのが一般的になっています。

液タイプは主に個人用透析装置や溶解装置のトラブル時の緊急用として使用されます。
まとめ
今回は透析液の溶解について解説しました。
透析液はA液とB液に分かれており、その原液を作成するのが溶解装置です。
また、粉タイプと液タイプの透析剤についても紹介しました。
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