透析液異常の原因と対策 ~透析技術認定士合格までの道~

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透析技術認定士 『安全対策』 透析液異常

こんにちは!もっちゃんです!!

今回は透析液の異常について解説します。

透析液は透析治療においてとても重要です。この透析液に異常があると患者さんに直接何かしらの影響が出てしまいます。

透析液異常による患者さんへの影響を防ぐ為に原因と対策をしっかり学習しましょう。

透析液の異常には主に「透析液の汚染」「透析液濃度の異常」「透析液温度の異常」の3つがあります。

それぞれ詳しく説明していきます。

透析液の汚染

透析液に化学物質や細菌などが混入する事を透析液の汚染と言います。

混入する物質毎の症状

  1. 遊離塩素、クロラミン、銅・・・溶血
  2. アルミニウム・・・脳症、骨軟化症
  3. フッ素・・・掻痒感、心房細動
  4. 生物由来物質(エンドトキシン・パイロジェン)・・・発熱、血圧低下、透析アミロイドーシス(慢性的)

ここには代表的な物質を記載しました。これが全てという訳ではないので注意しましょう。

主な原因

軟水装置や活性炭濾過器などの故障

軟水装置では2価の陽イオンを、活性炭では残留塩素を除去しています。これらの装置が故障すると目的の物質が除去されず透析液に混入してしまいます。

RO装置の故障、紫外線殺菌灯の故障

RO装置は最も多くの物質を除去する装置です。ここが故障すると様々な物質が混入してしまいます。

配管のデッドスペースなどの汚染

配管にはデッドスペースと呼ばれる箇所が存在する事があります。

デッドスペースとは水が流れにくく滞留しやすい場所の事です。水は滞留すると、その場所で菌が繁殖しやすくなります。機械室の設計時にデッドスペースがないように配管の設計をする事が重要です。

対策

始業点検、定期点検による保守の徹底

点検により装置に異常がないかを常にチェックしておく事で、故障の手前の状態で早期発見できる事があります。

洗浄消毒方法や設備の見直し

透析液が細菌で汚染させる場合には消毒方法を変更する事で改善する事があります。それでも改善しなかった場合は設備を見直す必要があります(デッドスペースを無くすなど)

透析液濃度異常

透析液のNa濃度はおおよそ140mEq/Lで調整されています。この濃度が基準値を逸脱する事で患者さんにも影響が出てしまいます。

  • 低濃度透析液・・・血圧低下、頭痛、痙攣、意識障害、溶血など
  • 高濃度透析液・・・血圧上昇、頭痛、口渇、痙攣、意識障害など

主な原因

不適切な濃度調整

透析液は定期的に手動で濃度調整をしますが、濃度調整を誤ってしまうと濃度異常がおこります

電気伝導度計や濃度測定装置の故障

透析液を作成するセントラルは透析液の電気伝導度(電気の伝わりやすさ)を監視して透析液を作成しています。電気伝導度を測定する伝導度計が故障してしまう事で異常な透析液が作成されてしまいます。

対策

適切な濃度設定

濃度設定を適切に行う事で濃度異常が起こりにくくなります。メーカー毎にフィードバック機能などの濃度がずれにくい機能が存在したりするので、メーカーの説明をよく聞いて装置の特徴を理解したうえで濃度調整する事が大事です。

保守点検の徹底

故障による濃度異常を防ぐには保守点検をしっかり行い、定期交換部品などを適切に管理する事が重要です。

異なる原理の濃度測定装置による複数回の濃度測定

濃度測定装置が故障している可能性もあるので、濃度が極端にずれていた場合は他の装置でも測定してみて、本当に異常かどうかを確認する必要があります。

透析液温度異常

透析液の温度は意外と見落としやすいのですが、温度が異常になっても患者さんに影響が出てしまいます。

  • 高温・・・発汗、体温上昇、血圧の低下
  • 著しい高温・・・赤血球の熱傷による溶血
  • 低温・・・悪寒、体温低下、徐脈、一過性の血圧上昇

主な原因

透析装置のヒーターおよび調整機能の故障

コンソールには透析液を温めるヒーターが付いていますが、このヒーターが故障して異常に温めすぎたり、逆に温められなくなる事で温度異常になります。

また、透析液の温度を測定しながらヒーターの出力を調整しているのですが、この温度センサーが故障した場合も温度異常がおこります。

対策

保守点検の徹底

定期的な点検によりヒーターや温度センサーの異常を早期に発見します。

プライミング時にダイアライザを手で触れ、温度を確認する

異常に温度が高かったり、低かったりするとダイアライザを触っただけでわかります。

もっとも簡単な確認方法です。

まとめ

今回は様々な透析液の異常について解説しました。

異常毎に原因や対策は色々ありますが、ひとつだけ共通している事があります。

それは、透析液の異常があったときはそのまま透析を続行しない事です。

透析液が以上のまま治療を続行すると患者さんへの影響もどんどん大きくなります。

透析液の異常があったときは、治療を一時中断して異常を解決してから再開するという決断をする事がとても重要になります。

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