血液浄化の工学的基礎知識 血液浄化の治療指標 n-PCR
こんにちは!もっちゃんです!!
今日はn-PCRについての記事を書いて行きます。
いきなりn-PCRと言われても何のこと?と思う方もいると思いますが、これも透析における治療指標のひとつです。
n-PCRとは標準化蛋白異化率といって、体重1kgあたりに一日で摂取する蛋白質の量を表します。
PCR
PCRは蛋白異化率といいます。
これは1日で産生された尿素の量を表します。
これがどういう事かというと、蛋白質とは代謝されると最終的に尿素(BUN)になります。
そして尿素が産生された量と蛋白質を摂取した量が同じになります。

透析患者さんは体内の蛋白質の総量が一定です。
蛋白質が分解される速さは蛋白質が作られる速さと同じで、蛋白質が作られる速さは蛋白質を摂取した量と等しい事から尿素の産生量と蛋白質の摂取量が等しい事が分かります。
つまり、産生された尿素の量が分かれば摂取した蛋白質の量も分かるという事です。
n-PCR
n-PCRは標準化蛋白異化率といいます。
PCRが1日で産生される尿素の量なのに対してn-PCRは体重1kgあたりに1日で産生される尿素の量です。
つまり患者さんの体格を気にせず比較できるという事です。
透析では一般的にこのn-PCRの方をよく使用します。
n-PCRは以下の式で計算できます。
$K_{R}$=残存腎尿素クリアランス
$\bar{C}$=平均血中尿素窒素濃度
$ΔC$=血中尿素窒素濃度の変化
$V$=総体液量

計算式を書いていますが自分で計算するという事はあまりないと思います。
数値を入力するだけで自動で計算してくれるサイトがたくさんあります。
n-PCRは0.9〜1.1(g/day/kg)が基準でそれ以上低いと死亡率が上昇すると言われています。
まとめ
今回はn-PCR(標準化蛋白異化率)について解説しました。
n-PCRは体重1kgあたりに1日で産生される尿素を表しており、これを求める事で蛋白質の摂取量が分かります。
蛋白質の摂取量は透析患者さんの栄養管理にもとても重要です。このn-PCRはしっかりと覚えておきましょう!
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