透析中の空気誤入の原因と対策 ~透析技術認定士合格までの道~

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透析技術認定士 『安全対策』 空気誤入

こんにちは!もっちゃんです。

今回から透析中に起こりえる事故について解説していきます。

今回の内容で注意しなければいけない点は、ちゃんと対策をとっていないとどの施設でも起こってしまう可能性があるという事です。

事故とは些細なミスや少しの認識の違いなどで重大な事故に発展する事があります。しっかりと事故の原因を理解して対策を立てるようにしましょう。

今回は空気誤入について解説します。

空気誤入の主な原因

空気誤入とは体外循環中の回路に混入した空気が血液ポンプの速度で体内に注入されてしまうトラブルです。

まずはこの空気誤入の原因について理解しましょう!

空気誤入の原因のほとんどは血液回路への空気の混入です。

血液回路内に大気開放部位があればそこから空気の混入出血を起こします。

空気が混入するか出血するかは血液回路のどの部位が大気開放されているかによって変わります。

血液ポンプより上流側に大気開放がある時に空気が血液回路内に引き込まれます。

血液ポンプより上流は陰圧になっているので空気を引き込んでしまいます。

逆に血液ポンプより下流側だと陽圧になっているため出血してしまいます。

以前の記事でも回路内圧について簡単に解説しています。

血液ポンプより上流側が大気開放になってしまう原因
  • 血液回路と留置針接続部のゆるみ、はずれ
  • サンプリングポートへの刺入ミス

このような原因で血液回路内に空気が混入してしまいます。

通常コンソールには気泡検知器という気泡が混入した時に血液ポンプを止めてくれる安全装置がついていますが、これが何らかの理由で作動しないと患者さんの体内に空気が入ってしまいます。

大気解放以外にもプライミング不足による空気誤入の可能性もあります。

透析開始前のチェックは確実に行うようにしましょう。

空気誤入の対策

生食(透析液)による返血(エアー返血の絶対的禁止)

昔は返血の時に回路内にわざと空気を入れるエアー返血が行われていたそうですが、現在は絶対的に禁止になっています。

回路接続部の確実な締め込み

回路接続部に緩みや外れがあるとそこから空気を引き込んでしまいます。

治療終了まで気泡検知器を絶対にOFFにしない

万が一回路内に空気が入ってしまった時でも患者さんの体内に空気が入らないように、気泡検知器は常に作動させておく必要があります。

動脈側回路からのエアー針付き輸液の禁止

輸液が空になったときにエアー針から空気を引き込んでしまうのでエアー針は禁止です。

発生後の対処

血液ポンプの停止

空気が患者さんの体内に入らないように血液ポンプを停止させます。

静脈側回路の遮断・閉鎖

静脈側の回路を遮断します。遮断する事で万が一血液ポンプが動いていても患者さんの体内に空気が入るのを防ぐことができます。

頭を低くした左側臥位

右心系に入った空気を右心系に留め、脳や他の臓器に空気が流れないようにします。

酸素吸入

混入した空気は右心系に留めている間に血漿に溶けていくのを待つしかありませんが、空気のほとんどは窒素です。窒素とは血漿に溶けにくいです。
100%酸素を吸入させることで新たに窒素を体内に取り込む事を防ぎ、窒素が少しでも血漿に溶けやすくします

高気圧酸素療法

重症例では高圧酸素治療法を行います。
血漿に溶ける酸素の量が増えるので多くの酸素を届ける事が出来る
また、高気圧にする事で混入した空気が圧縮される。

空気誤入による症状

10数ml程度の少量

連続した繰り返す咳嗽、軽度の胸痛、呼吸困難。

少量の空気の場合は肺で空気が排出されます。

数10ml以上の大量誤入

激しい咳嗽、胸痛、呼吸困難、ショック、心停止

大量に空気が混入した場合は肺での排出が難しく、そのままにしていると全身に空気が回ってしまい空気塞栓を起こしてしまいます。

迅速な対応が必要です。

まとめ

今回は空気誤入について解説しました。

原因と対策をしっかりと理解しましょう。

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