透析技術認定士 血液浄化の工学的基礎知識~まとめ~

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血液浄化の工学的基礎知識~まとめ~

こんにちは!もっちゃんです!!

今回は透析技術認定士の試験範囲である「血液浄化の工学的基礎知識」のまとめになります。

この分野は苦手な人も多いですが透析治療に携わる上でとても大事な内容になっています。

また、認定士試験での出題確率も高い分野です。

各項目ごとに概要と詳細に解説している記事のリンクを記載しています。

HDにおける分離と物質交換

HDでは透析膜を挟んで血液と透析液が接しており、その間で物質交換が行われており、以下のような特徴があります。

  1. 赤血球や体に必要なタンパクなどは分子量が大きいため血液から透析液側に漏れることはない
  2. 細菌やエンドトキシンなどの物質は大きいため透析液から血液側に流入することはない
  3. Ca2+やとHCO3は透析患者で不足するため透析液から血液側に補充される
  4. Na+、Cl、K+などの電解質は血液内濃度が適正になるように調整される
  5. 代謝産物などの不要な物質は血液から透析液側に排出される

この特徴はしっかりと理解しておいてください。

各特徴は以前の記事で詳しく説明しています。

ポアサイズ

ポアサイズとは透析膜に無数に開いている穴の大きさのことです。

ダイアライザのポアサイズは「どの分子量の物質まで抜きたいか」によって決定されています。

分子量とは簡単に言うとその物質の大きさの事です。

単位はDa(ダルトン)

ちなみに透析で積極的に除去するBUN(尿素窒素)の分子量は60Daです。

α1-MGなどに比べると圧倒的に小さいですね。

これだけ小さいという事はダイアライザを通過しやすいという事です。

ダイアライザに求められる性能

  • 高い溶質透過性・・・溶質透過性とは溶質の通りやすさの事。膜を介して物質が行き来するため高い透過性が要求される
  • 高い透水性・・・水の通りやすさの事。透析とは除水を行う上にHFやHDFでは大量置換を行うため水が通りやすくないといけません(HFとHDFについては後ほど解説します)
  • 溶質透過性と透水性の適度なバランス・・・先ほど高いものが要求されると記載していましたが高すぎてもダメです。適度なバランスを保たないと除去したくない物質(アルブミン)なども除去されてしまうかもしれません
  • 高い機械的強度・・・ダイアライザには常に強い力が加わっています。静脈圧(血液側の圧力)と透析液圧(透析液側の圧力)があり、ある程度の強度がないと膜が破損してしまいます
  • 可滅菌性・生態的合成・・・血液と直接ふれあうため生体適合性(遺物反応や拒絶反応を起こさない性質)が必要です。また、滅菌に耐えられる材料である必要があります。

ダイアライザ

ダイアライザは膜の材質によって種類が分けられます。

大きく分けてセルロース系の膜と合成高分子系の膜の2つに分類されます。

セルロース系膜と合成高分子系膜は膜の構造が大きく違っており、セルロール系は対象構造、合成高分子系膜は非対称構造となっています。

非対称構造の方が溶質の透過性と透水性が良いと言われています。

膜透過現象

ここでは透過流束というものを解説します。

透過流束とは膜を通過する量の事で、水分透過流束と溶質透過流束があります。

水分透過流束

水分透過流束とは1分間あたりに1㎡の膜を何mlの水が通り抜けるか?という指標で以下の式で表されます。

$$Jv=Lp(ΔP-σΔπ)$$

Jv=水分透過流束

Lp=濾過係数(水分の通りやすさ)

ΔP=膜の両端における静水圧差(水にかかっている圧力差)

Δπ=膜の両端における浸透圧差
※浸透圧とは濃度が違う溶媒同士が半透膜を介して接している時に濃度を同じにしようとして溶媒が移動する力

σ=反射係数(溶質の透過性)
※物質は何かを通るときに全てスムーズに通るのではなく一定数は反射されます。その反射される量が多い方が通りにくいという事になる

溶質透過流束

溶質透過流束とは1分間あたりに1㎡の膜を何mlの溶質が通り抜けるか?という指標で以下の式で表されます。

$$Js=Jv(1-σ)Cs+PmΔC$$

Js=溶質透過流束

Jv=水分透過流束

σ=反射係数

Cs=膜内平均溶質濃度(そのまま。溶質の濃度の事です)

Pm=拡散に伴う溶質透過性(溶質の通りやすさの事。大事なのは拡散によるという所)

ΔC=溶質濃度差

細孔モデル

細孔モデルとは透過する物体の透過性に透析膜の要素(穴の大きさや膜厚など)を追加したものです。

つまり簡単に言うと同じ物質が透過する時でもAという膜とBという膜では透過性が違いますよ。っていうのを表すモデルです。

  1. Lp=(rp2/8μ)(Ak/τ⊿x)
  2. σ=1-g(q)SF

  3. Pm=Dwf(q)SD(Ak/τ⊿x)

    Lp=濾過系数(膜の通りやすさ)

    rp=細孔半径(膜に開いている穴の大きさ)

    μ(ミュー)=溶質粘度

    Ak=膜面開孔率(膜全体に対してどれくらいの割合で穴が開いているか)

    τ(タウ)=曲路率(膜に開いている穴は完全なストレートではなく少し曲がっている。それを加味するための数値)

    ⊿x=膜厚(膜の厚さ)

    g(q)=濾過による細孔内壁と溶質の摩擦係数(物質が濾過により穴を通り抜ける時にかかる摩擦の強さ)

    f(q)=拡散による細孔内壁と溶質の摩擦係数(物質が拡散により穴を通り抜ける時にかかる摩擦の強さ)

    SF=濾過による立体障害因子(濾過をする時に障害となる要素)

    SD=拡散による立体障害因子(拡散をする時に障害となる要素)

    Pm=溶質透過係数(溶質の通りやすさ)

    σ=反射係数

    DW=溶質の水中拡散係数(拡散のしやすさ)

ダイアライザの性能

ダイアライザの性能については5回に渡って解説しました。

量が多くなったので別でダイアライザの性能だけでまとめ記事を書いています。

この記事ではクリアランスやクリアランスに影響を与える因子、濾過についての事などを解説しています。

血液浄化の治療モード

ここではHD,HF,HDFについて解説しました。いずれも透析治療におけるモードです。

HDは血液透析で普段からよく目にする治療モードです。

HFは血液濾過といい拡散を行わずに濾過のみで溶質除去をする治療モード

HDFはHDとHFを同時に行う治療モードであり、オンラインHDFやオフラインHDF、I-HDFといった種類がありました。

またHDFは前希釈か後希釈かで補液速度が変わり、大量置換を必要とする前希釈はオンラインHDFで行うのが一般的でしたね。

血液浄化の治療指標

この分野も量が多く、別でまとめ記事をかいています。

除去率、Kt/V、1-コンパートメントモデル、除去量、クリアスペース等について解説しています。

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