透析の原理を理解しよう〜拡散と限外濾過〜

透析の原理
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透析の原理

透析の現場で働き始めたばかりだと日常の業務を覚えるのが大変で中々勉強する時間が取れないと思います。
特に透析の原理などは仕事中に教えてもらうという機会が中々無いのではないでしょうか?
しかし患者さんに適切な透析治療を行う為には透析の原理をしっかりしておく必要があります。
今日の記事は透析の原理について出来る限り分かりやすく説明したいと思います。

2つの大事な原理

透析治療の基本原理は主に2つだけです。しかしこの2つというのがとても重要です。
1つ目は拡散です。拡散は主に小分子(分子量が小さい物質)の移動に関係しています。透析治療においては「老廃物の除去」と「電解質の調整」に大きく関わっています。
2つ目は限外濾過です。主に水の移動や中分子〜大分子の移動に関係しています。透析治療では水分量の調整に大きく関わっています。

拡散

拡散とは濃度の違う液体が半透膜などを介して接しているときに物質の濃度差を推進力として物質が移動する現象です。

半透膜とは膜に目に見えない程の小さな穴が空いており、その穴から小さい物質なら自由に移動出来るような膜のことです。
透析においてはダイアライザの透析膜がこの半透膜にあたります。

この文章だと中々分かりづらいですね・・・

お茶のティーパックをイメージすると分かりやすいですよ!

ティーパックをお湯につけると徐々にお茶の成分がお湯に染み出してきて味が濃ゆくなって行きます。

これは濃度の濃ゆいお茶の成分が濃度の薄いお湯の方に移動しているからです。

透析とは透析膜を介して血液と透析液が触れ合っています。
血液中には老廃物や余分な電解質がたくさん入っており、その物質の濃度が透析液に比べて高い状態になっています。
このような状態の時に拡散の力が働いて濃度の高い方から低い方に物質が移動します。
この原理を利用して血液中の老廃物と余分な電解質の排泄を行っています。
※Ca2+とHCO3は透析患者さんでは不足してくるので逆に透析液から血液中に補充します。

つまり、拡散によって腎臓の機能のうち「老廃物の排泄」「電解質の調整」「pHの維持※1」の3つを代行しています。
※1:HCO3を調整する事でpHが維持されます。これに関しては腎不全と代謝性アシドーシスについて勉強しましょう。
腎臓の7つの機能についてはこちら

この拡散には条件があります!

それは物質の大きさが透析膜の穴の大きさよりも小さい事です。

いくら濃度差があってもその物質が穴を通れないと移動出来ないからね!

限外濾過

濾過とは半透膜を介した2つの溶媒のうちどちらかに圧力をかける事で溶媒が移動する事をいいます。

コーヒーメーカーを想像すると良いですよ。

濾過されたコーヒーだけがフィルターを通って下のガラス容器に溜まっていきます。コーヒー豆はフィルターの上に残ったままですね。

これは重力によって溶媒が移動した結果です。

溶媒と溶質

溶媒とは物質を溶かしている液体の事で、溶質とはその溶けている物質の事です。

透析ではこの原理を使って除水が行われています。上の図では片方に圧力をかけていますが実際の透析では、除水ポンプを使って水を引っ張る事で濾過をしています。
つまり限外濾過は腎臓の機能の内「水分の調整」を代行しています。
※実際には濾過は中分子物質の除去にも関わっているのですが、それは血液濾過(HF)という治療法を説明する時に詳しく説明します。

限外濾過の限外って何ですか?

限外っていうのは濾過の種類の事です。

使うフィルターに開いている穴の大きさ、つまり膜を通り抜ける物質によって「粗濾過」「精密濾過」「限外濾過」「逆浸透」に分けられます。

まとめ

透析の基本原理は「拡散」と「限外濾過」で拡散は老廃物の除去と電解質の調整、pHの維持を行います。
限外濾過は水分の調整、つまり除水を行います。

透析治療とは拡散と限外濾過を同時に行い、4〜6時間かけて腎臓の機能のうちの4つを代行しています。
患者さんにより良い透析治療を提供するには医者だけでなく透析スタッフも透析についてしっかり理解しておく必要があります。
この記事を読んでくださった皆さんもしっかり勉強に励んでください。

次回はシャントについてのお話をする予定です。

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