【徹底解説】透析技術認定士合格までの道~ダイアライザの性能②~

クリアランスに影響
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『血液浄化の工学的基礎知識』 クリアランスに影響を与える因子

前回から『血液浄化の工学的基礎知識』の分野の中でも「ダイアライザの性能評価」について解説しています。

前回はクリアランスとはどういう指標なのかを説明しました。

今回はさらに深掘りして『クリアランスに影響を与える因子』について解説します。

前回の記事を読んだだけでは「クリアランスの事は分かったけど、じゃあどういう場合にクリアランスが良くなるの?」という疑問を持った方もいるかと思います。

今回の記事ではどういった因子がクリアランスに影響を与えるかを解説します。ここが分かれば「どうすればクリアランスを良く出来るか」が分かってくると思います。

結論だけ先に書くと、主にクリアランスに影響を与える因子は

血流量・透析液流量・限外濾過流量・透析膜の性能です。

これらについて解説していきます。

血流量(QB)

まずクリアランスに影響を与える因子として血流量を紹介します。

クリアランス($CL$)の式を思い出してみましょう。

$$CL=\frac{C_{BI}-C_{BO}}{C_{BI}}×Q_{BI}$$

でしたね。

もうこの式を見て分かるように最後に$Q_{BI}$(入口の血流量)をかけていますね。

明らかに関係しています。

難しい透析の本とか読むとたくさんのグラフとかが書いてあって

「ほら、血流量関係してるでしょ」って感じで書いてありますが、
正直難しいですし説明も長いです。

クリアランスの計算式を見てみると一発で関係している事が分かります。

さらにこの式から分かる事は血流量を上げるほどクリアランスは良くなっていくという事です。

血流量をかけているので、これもすぐに分かりますね。

理屈で説明するとこんな感じです。
ですが、実際にはもっと単純に考える事も出来ます。
血流量を上げると純粋にダイアライザを通る血液の量が多くなるのでその分浄化される血液の量も多くなりますよね。

あとひとつだけ大事な事があります。

前回の記事でも説明しましたが『クリアランスは血流量を超えない』という事です。

これはしっかりと覚えておきましょう!

前回の記事はこちら

透析液流量(QD)

次は透析液流量(QD)です。これは初めて出る言葉ですね。

まず透析液流量とは名前の通り透析液が流れている量です。

以前説明した通り血液と透析液は透析膜を介して触れ合っています。その透析液の流量がクリアランスに影響を与えるという事ですね。

クリアランスの式は透析液側に視点をおいた式でも考えることができます。(これまで説明していたクリアランスの式は血液側視点)

$$CL=\frac{C_{DO}}{C_{BI}}×Q_{DO}$$

$C_{DO}$=透析液出口側の溶質濃度(血液から透析液側に抜けてきた溶質の濃度)

$C_{BI}$=血液側入り口の溶質濃度

$Q_{DO}$=出口側の透析液流量

また新しい式で混乱するかもしれませんがあまり難しく考えなくても大丈夫です。

まず$\frac{C_{DO}}{C_{BI}}$の所を見てみましょう。

これは透析液に抜けてきた溶質濃度を血液の入り口側溶質濃度で割っています。

「透析液に抜けてきた溶質濃度」は「血液から除去された溶質濃度」と一緒ですよね。

血液から除去された溶質濃度は以前クリアランスの式で説明したように$C_{BI}-C_{BO}$で表す事が出来ましたね。

つまり$C_{DO}=C_{BI}-C_{BO}$という事になります。

これを踏まえて式を作り変えてみます。

$C_{DO}$を$C_{BI}-C_{BO}$に置き換えます。

すると$\frac{C_{BI}-C_{BO}}{C_{BI}}$になります。

この式はどこかで見た事がありますね。

血液側を視点にしたクリアランスの式の一部と同じになりました

つまり血液側を視点にしても透析液側を視点にしても同じようにクリアランスの式が成り立つという事が分かりました。

そしてさらに式の最後に$Q_{DO}$をかけている事から透析液流量が増えればクリアランスも増えるという事も分かりますね。

これについても、「透析液流量を上げるほど血液と触れ合う透析液の量が増える為にクリアランスが増加する」というように簡単に考える事が出来ますね。

限外濾過

限外濾過もクリアランスに関係しています。

実は溶質も濾過とともにダイアライザを通過していきます。

除水される時に水と一緒に移動するという事です。

今までは「溶質は拡散で移動する」「溶媒は濾過で移動する」と言っていましたが、厳密に言うと濾過でも溶質は移動します。

しかし溶質の濾過での移動は拡散にくらべると微々たるものです。

なので溶質の移動は拡散がメインである事には変わりません。

$$CL=\frac{C_{BI}-C_{BO}}{C_{BI}}×(Q_{BI}-Q_{F})+Q_{F}$$

上記の式は前回説明した式ですが、これを見ても限外濾過がクリアランスに関係していることが分かりますね。

まとめ

今回はクリアランスに影響を与える因子として血液流量、透析液流量、限外濾過を解説しました。

もうひとつ透析膜の性能もクリアランスに関係するのですが、ここは結構大事な所ですので次回の記事でしっかりと説明します。

【透析講座】クリアランスって大事だから覚えてね!

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