血液透析機器・装置 セントラル(多人数用透析液供給装置)
こんにちは!もっちゃんです!!
今回はセントラル(多人数用透析液供給装置)について解説します。
セントラルとは溶解装置で作成した透析液原液を混合させRO水で希釈して透析液を作成する装置です。

溶解装置とRO水については過去の記事を参照してください。


透析液の作成
前述したようにセントラルでは透析液を作成します。
溶解装置の記事でも説明しましたが透析液は元々A液とB液にわかれています。
これはA液のカルシウムとB液の炭酸水素ナトリウムが反応して炭酸カルシウムになるのを防ぐためでしたね。
このA液とB液を適正な割合で混ぜ合わせ、さらにRO水で希釈するのがセントラルです。
A液、B液、RO水の混ぜる比率は1:1.26:32.74が一般的です。

このようにして作成された透析液の濃度は以下のようになります。

これはキンダリー4Eという透析液の濃度です。
透析液にはいくつか種類があり、種類毎に若干濃度が違います。
透析液の送液
作成された透析液は各コンソールに供給されていきます。このことを送液といいます。

セントラルの画面には「送液濃度」や「送液温度」などの表示がありますが、これは実際にコンソールに供給している液の事です。
セントラルには供給能力というものがあります。
これはセントラルがコンソールに供給(送液)する能力の事です。
1人の患者さんあたりで500ml/minの透析液を使用します。
同時に20人透析するのであれば500×20=10000ml/min=10L/minの透析液が必要です。
40人であれば20L/minです。
セントラルは使用される透析液以上の供給能力が必要です。
例えば1分間あたりに15L/minの透析液を作成できるセントラルがあったとします。
患者さんが20人であれば透析液の使用量は10L/minなので問題なく送液できますが、40人だったらどうでしょうか?
使用量が20L/minなので15L/minでは足りませんよね。
このようにセントラルには使用する透析液よりも多くの透析液を作成する能力(供給能力)が必要ということです。

セントラルを買い替える時は実際の透析液の使用量を把握しておき、買おうと思っているセントラルの供給能力が十分がどうかを判断する必要があります。
また、意外と失念しやすいのがコンソールの台数を増やす時です。
もし現在の供給能力がギリギリだとしたらコンソールを5台増やしたら足りなくなる可能性がありますね。
まとめ
今回はセントラルについて解説しました。
セントラルとはA・B原液を混合させRO水で希釈し、透析液を作成する装置の事でした。
また、セントラルには供給能力というものがあり、使用する透析液よりも多くの透析液を作成する能力が必要でした。
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